卯の花腐し

暗い部屋の中 誰かの御伽話

幼い頃の記憶は曖昧で

だけど一つ 覚えている事

貴方にもあるでしょう?

 

夜になれば さざめくものが在る

振り返るけど 誰も居なくて

死んでしまった あの人の声が

聞こえてくるような気がしてた

 

生きている事 死んでしまう事

貴方には 誰が教えてくれた?

熱のないからだ 触れる事が

こんなにも恐くて

 

暗い部屋の中 光は何処にも無い

貴方の声 体温が頼りで

 

忘却の末に あたしは迷子になる

見ているものが 全ての世界に

暗闇から 取り戻した記憶

存在だけでいいはずでしょう?

 

懐かしい声 あたしが呼ぶ声

この街に正しさなど無い

心腐らせる 降り続く雨

こんなにも怖くて

 

手に落ちる全てが貴方なら

見えるわ その先も

 

 

時はいつだってそこに在って

いつの間のかなんて嘘みたいに

いつの間にか世界は広がった

だけど

死に向かって歩いてるなんて

信じられなくて

何時だって過去を振り返るけど

時は 時は 時は 時は

時はもう戻ってはこないんだ

 

 

生きている事 死んでしまう事

あたしには あの人が教えてくれた

貴方の息と あたしの息と

触れては 雨になる

 

手に落ちる全てがあたしなら

見えるわ その先も

 

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